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アカッバドーラ 3

drftgyhujio



着いたのは、苦しげに息を吐いている犬が
ぐったりと横たわっているガード下だった。

片方の耳を切られ、片足はぐちゃぐちゃにつぶれ、
いくつもの殴られた痕らしい傷口の周りは、血がべったりと固まって
腹や胸の辺りは、泥で汚れてこの犬の本当の毛色が何なのかわからない。

風変わりな店主は、そっとその犬に近ずく、
見知らぬ人間が近くに来ても、もう抵抗するどころか、歯をむいて見せる事もできないほど
弱りきった犬は、わずかに片目を開けて、うぅ~と小さく唸った。

「大丈夫よ。大丈夫。心配しなくてもいいの。大丈夫よ大丈夫。
もう少しで楽になるわ。あなたが、一番いきたい場所に連れて行ってあげるから・・」

店主はそう言って、持ってきたロールケーキの小さな欠片を犬の口に押し込んだ。

「がんばって飲み込んで頂戴。少しずつ楽になっていくはずよ。
もう少し・・もう少し・・。がんばって。今までの中で、あなたが、一番楽しかった
思い出の日に帰してあげる。あなたが生まれてきて良かったと思った日に帰してあげる」

柔らかなロールケーキさせ飲み込むのがやっとなほど弱っていたその犬は、
店主にゆっくりゆっくり背中をなでられている内に、身体が楽になっていく。

「どう?少しは楽になったでしょう?一番帰りたい思い出の中にあなたを
連れて行ってあげるわね。そして、今、一番したい事を叶えてあげる」



白い綺麗な新しい家に貰われて行った日
その家には、おねぇちゃんと弟のよっちゃんがいて、毎日毎日学校から帰ると
いつもいつも、一番にロン遊ぼう!と誘ってくれた。
どこにでもついて行ったし、ロンがいなくちゃ嫌だ!と、
おねぇちゃんと弟が、いつも庇ってくれていた。

でも。。いつの間にか、その家のお父さんとおかぁさんが大きな声で
喧嘩をするようになって、おねぇちゃんとよっちゃんから笑顔が消えて、
ある日、おかぁさんが、荷物をダンボールに入れて、大きなトラックがやってきた。

僕は・・そのトラックに乗せてもらえず、隣の人に預けられて
おねけちゃんとよっちゃんが、ロンごめんね。ごめんねって
泣いて抱きしめてくれたんだ。
トラックに乗ったおねぇちゃんが必ず迎えにくるからね、ごめんねロン~~って
泣きながら手を振っていた。


隣の人の手を無理やり振り切って、僕はトラックを追いかけたけど、
知らない街まで追いかけたけど・・

それからずっと、このガード下で、おねぇちゃんとよっちゃんを待っているんだ。

殴られて、この辺りの不良のグループに足や背中をを鉄の棒で殴られて
耳をカッターで切られて・・・・。
でも、僕は、もう一度、おねぇちゃんとよっちゃんに会いたいんだ。

「バルーミ。モモ。この子をおねぇちゃんとよっちゃんの元に連れていってあげて・・
 なるべく早くね。もう時間がアンマリないから・・。私はここで待ってるわ」















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Comment - 2

Fri
2016.08.05
15:55

こすもす #B7q/.fmY

URL

悲しすぎて〜これでおしまい?その後のロンのことは読み手の想像で完結?
ではとてもとてもハッピーな結末に虹329の世界に登ってもフランダースのワンコのように〜。

Edit | Reply | 
Sun
2016.08.07
17:58

amida #.FHqww6E

URL

こすんもすん


世の中は、思うよりずっと不条理にできているのだ。
オブラートで包んだ、パステルの世界はどこにもないんだよーー。

Edit | Reply | 

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